メタ認知と人づきあい

メタ認知とは、簡単にいうと客観的な自分の視点です。自分を観察するもう一人の自分とでもいえるでしょうか。

 

今自分がどういう状態にあるか、自分は何故こういう行動をしてしまっているか、と自分を客観的に把握することで、自分の行動を是正したり、問題を解決することができます。

 

この認知能力は、人によってかなり程度の差があります。メタ認知のある人が、極端にメタ認知がない人と話をすると、とても疲れることになります。

 

具体的には、つまらない話、興味がない話を延々とする人。相手の話を遮ると失礼だから黙っていますが、それとなく興味がない合図を送っているのに、相手はこちらが興味を持っていると勝手に思い込んで、ずっとしゃべり続けたりする人。

 

メタ認知能力がある人は、自分の話が面白いかどうか、客観的に考えることができるので、相手の様子を観察することができますが、そういう視点を持つことがあまりない人だと、そんなことは気にせずにずっとしゃべり続けるのです。

 

そういう人は、「一度にたくさんのことを伝えても、聞き手はそのすべてを覚えられないだろう」とか、「難しい話をするときは、具体例を示すとわかりやすくなるだろう」とか、「興味がない話は退屈をしてしまうだろう」といった、人間の認知特性や課題、方略に関する知識がなくて、人間同士のコミュニケーションが苦手なのです。

 

人間には、自分が気持ちいいことだと思ったら、それを他人に伝えて、自分を認めてもらいたいという本能があるようで、つまらない話をだらだらを伝えられる方はたまったものではありません。

 

まあ、それが人間という集団の進化と、他の生物に対する優位性をつくってきたのだと思いますが、全ての人間が同じではないのです。

 

メタ認知が強すぎる場合も、また対人関係に問題が起こる場合があります。メタ認知が強い人は、自分の行動や感情を常に観察する第三者が自分の中にいて、自分を律することができます。

 

こんなことをしてはいけない、もっとこうしないといけない、今のはダメなことだった、と自分の行動を律することが出来るので、計画的になったり、努力できたりするのですが、行き過ぎると神経症になって、ストレスをいつも感じるようになります。自分はこれだけ気を遣っているのに、と他人への寛容さが無くなっていつも怒りを感じるよううになるかもしれません。

 

人間は不完全であり、完璧にはなれないが、より良く生きよう、と肩に力を入れないことが大事だと思います。

 

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