多数派の安心、少数派の不安

人は自分が多数派であれば安心するという特性があると思います。

 

例えば、自民党支持者、巨人軍ファン、アイドルファンなど。人気のあって、自分と同じように支持している人が多いと、自分は正しいのだ、間違っていないのだという安心感が得られるのです。

 

これは、個人であると同時に集団、社会の一員であることを人間が望むからです。人間の進化の中で、個で暮らすより集団で暮らすことに適応する人間のほうが生き残ってきたので、我々の中にそういう特性があるのです。

 

他の集団で暮らす生物、例えば蟻や渡り鳥など、集団として活動するための特性があります。

 

その特性で興味深いのは、辛くてひどい目にあっていても、周りが同じような境遇であれば、納得して我慢をしてしまうことです。

 

例えば、ブラック企業に勤めて、毎日苦しい仕事をしていても、周囲に同じように我慢している人がいれば、抜け出そうと思わない。独裁者のいる某国では、民主主義もなく、理不尽な圧政で、大衆は苦しんでいて、いつまでたっても革命が起きない。

 

ところが、他の会社がそうでないことを知ると、我慢できなくなって退職するし、国外の情報が入ってきて、自分たちが少数派だと知ると、億歳打倒、革命だと立ち上がる。

 

このような人間の特性を理解して、人を支配しようと思う人は、同じような境遇を与えて、他の情報をシャットダウンすればよいわけです。宗教団体の洗脳がそんな感じですね。修行と称して、人を集め、外部と遮断して、自分のいる状況や境遇が当たり前だと思いこませて、財産を取り上げるという手法が使われています。

 

宗教団体ではなくても、我々の生活には、これが当たり前だ、他の人も同じだ、と思いこまされて、金銭を搾取されるビジネスモデルがあふれています。人と同じだから正しい、という安易な考えは持たないようにしないといけません。