甘味の誘惑

在宅勤務をするようになってから、甘いものを食べる量が増えてしまいました。在宅勤務の弊害です。同僚とそのことについて話すとみんな同じような傾向です。

 

お酒をよく飲んでいるときには、甘いものが苦手だったのですけど、お酒をやめたら甘いものを少し食べるようになりました。

 

最初のころは会社に行っている日は甘いものを食べなくて、休日だけ食べていたのです。ところが在宅勤務で家にずっといると、つい小腹が空いたときに、お菓子などを食べてしまうようになりました。

 

誰にとっても、甘味、糖質というものは本当にやっかいな食べ物です。頑張ったご褒美に一個だけと、小さいパッケージのお菓子を食べてしまうと、一個では止まりません。次々と食べてしまいます。

 

もともと人間には気持ちの良さや快感を求めることが行動の動機になっています。食べることは、我々の体を維持するために重要な行為なので、快感を味わうようになっているのです。

 

我々生き物は、外部から栄養を取り入れて消化し、エネルギーにしなくてはいけません。そのエネルギーの主力となる燃料は、炭水化物などから得られる糖質です。ご飯とかパンとかの主食。しっかり噛むと口の中で美味しさを感じます。この美味しいと思う成分は糖質です。

 

我々の舌には、穀物の中に入っている糖質を感じるセンサーがついてます。製糖された糖類は、そのセンサーの性能を大幅に超えています。ちょっと食べるだけで美味しくて、快楽物質がでちゃう。それで理性がとんでしまって何個も食べちゃうわけです。

 

これも脳内の報酬回路のせいなのですよね。食べることが快楽を伴うように体が設計されているから止まらないのです。麻薬やお酒と同じ仕組みですね。飲み始めたら止まらない、食べ始めたら止まらない。

 

そういう仕組みを理解して、私はお酒やタバコをやめたのですが、そのときに思ったのが、少しだけという量の減らし方は無理だということでした。止めるのであれば、一切体の中に入れない、ということをしないとお酒もタバコも断つことは無理でした。

 

私は子供の頃に太っていて、よくお菓子を食べる子供でした。両親がお菓子好きで、家にはたくさんのおやつが常備されていました。思春期になると太っているのが嫌になり、お菓子を食べなくなりました。しかし大学に入るとお酒をたくさん飲むようになって、タバコも吸うようになりました。糖質もアルコールもタバコも、脳内の快楽物質に依存をしてしまっているのは共通しています。

 

糖質は生きていく上で必要な栄養素ですから、完全に断つことは無理なのですが、せめて製糖されて、密度の濃いお菓子のような食物を食べないということは出来ます。甘いモノを食べる子供は麻薬中毒になっている。ぶくぶく太って、脳が麻薬にやられていると思って、買い置きをしないというのがせめてもの抵抗のようです。

 

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