教育と考える力

なぜフィンランドやスウェーデンから世界的なイノーベンション企業(ノキアとかイケアなど)が生まれたのか、それは教育方法のユニークさと、雪国で冬場はインドア中心の生活という環境からきているという話を本で読みました。

 

その教育方法で特に印象に残ったのは、子供の創造性を伸ばす問いかけです。学校も親も創造性を伸ばすことをすごく大切にしていて、例えば子供に「~するためにはどんな豊富があるか?」という質問をしたとき、子供から「〇〇かな」と答えが返ってくると、「それはいいね。でも別の方法もあるかもしれないよ?他のやり方も考えてみよう。」というように、複数の回答を出させる質問をするとのことです。

 

問題に対する答えはひとつではない、たくさんアイデアを出して、その中から最良の案を選ぶべきである、という思考のスタイルを、子供のときから教えるということは、素晴らしい教育だなあ、と感心しました。

 

最近の日本の教育がどうなのかは知りませんが、私が子供の頃の教育は、いろんなものを暗記することが勉強でした。そして試験は、何が正しいかを答えること。そういうトレーニングばかりやっていると、答えはひとつで、どこかに正解があるという思考回路になってしまう可能性があります。

 

そういう頭の人は、自分で考えるのということをせずに、誰かに指示を出してほしい、命令してほしい、基準を示してほしい、となってしまいます。

 

今回のコロナ禍で、政府が指導してくれないと判断できない、ということを言っている人が多いので、もう少し情報を集めて自分で考えたらいいのに、と思います。ただし、欧米よりも死亡者数が少なかったという結果もあるわけですから、ひとつの方向に向くというところは良い部分かもしれませんが。

 

しかし人生や仕事において、常に正しい答なんてありませんし、正しい選択ができるようなマニュアルなんて存在しませんから、あらゆることは自分で考えていくというのは生きることの基本です。どんなにたくさん知識があっても、自分で考えて工夫する力が無いと、その知識は生かせないのです。

 

だから「答えはいくつもあって、最適な方法を見つけるのは自分である」という価値観を子供の頃から教えることは、すごく大切であると思いますし、日本の学校教育では、そういう視点が足らないのではないかと、北欧の教育から感じました。

 

暗記は勉強の基本ですから、悪いわけではないのですが、「まず課題は何か」「その課題に対し、思いつく限りの解決案を出す」「アイデアを評価する基準や優先順位を整理し、アイデアを組み合わせて最適解を導き出す」といった思考プロセスを学ぶ実習などをやるのがいいと思います。

  

今回の混乱から各人いろいろ学んだことで、一人一人が自分で考えて工夫することで、世の中がもっと良くなることを期待したいです。

 f:id:toshihiko-w:20201220095730p:plain