去年の春から断酒をはじめて、ちょうど一年経ちました。
この1年間にお酒を飲んだ回数は、付き合いで3回程度。それぞれビールを数杯だけだったので、ほぼ一年お酒を断っていたことになります。
あれだけ大酒飲みだった自分が、医者から止められたわけでもないのに、今はアルコールなしの生活をしているなんて、とても不思議な感じもします。
断酒一年で、自分がどう変化したかを、あらためて振り返ってみたいと思います。
1.肉体的な変化
もちろん体調は良くなりました。
お酒をやめると、自分の体調がよくわかるようになりました。
自分の体調に無頓着な人っていますよね。少しくらい調子悪くても無理しちゃう人。私も自分の体調は、よほどひどくない限り、あまり気にしないほうでした。なんかおかしいな、ふらふらするなとか思いながら仕事をして、熱を測るまで発熱している自覚がなかったりするので、無理をして体調を悪化させることが多かったのです。
それは二日酔いやら、お酒のせいでシャキっとしないことが多かったからでしょう。酒飲みは、お酒で調子がでないのか、ほんとに体調悪いのか、よくわからなくなってるわけです。
断酒してからは、体調が悪いのはお酒のせいではないので、「俺は今、体のどこかの具合が悪いぞ」とすぐ思い至るようになりました。そして早く帰って寝るとか、薬を飲むとか対応が早いため、早く回復するようになりました。
お薬もよく効くようになりました。あまり漢方薬というものは効かない、と思っていましたが、風邪のときに飲む葛根湯がよく効くようになりました。
2.精神状態の変化
お酒をやめて自己嫌悪を感じる頻度が減りました。私は昔から、たくさんのコンプレックスがあり、自分のことが好きではありませんでした。何かあると「俺なんて最低だ」と自己否定で心が満たされてしまいます。
そんなとき、お酒を飲むと気分がよくなるので、夜はいつも飲んでいました。しかし、お酒を飲んだときは気分がよくなるのですが、酔いがさめると反動で落ち込むことが少なくありませんでした。
その状態をグラフのイメージにしてみました。上のグラフが飲酒時代、下のグラフが断酒後です。お酒をやめた後では落ち込む回数が減ってます。
お酒で気を紛らわらせている人は多いと思いますが、実はお酒やめるほうが気分は安定しますので、試していただきたいです。
3.生活環境の変化
身の回りが綺麗になってきました。お酒をやめると、自宅や職場での片づけや掃除の頻度が増えます。清潔で小奇麗な環境は、気持ちをすっきりさせ、心がクリアになります。
お酒を飲んでいたころは、服は脱ぎっぱなし、散らかっていてもあまり気になりませんでした。掃除しなくちゃ、片付けなくちゃ、と思いながらも、お酒を飲んだらそのまま放置。埃っぽい床で酔いつぶれて寝たりもしていました。とてもだらしない生活をしていました。
今は、いろいろ整理するのが楽しいです。一人暮らしを始めた頃のような新鮮な感覚を思い出しています。
4.感性の変化
感受性がより繊細になったと思います。食事をするとき、音楽を聴くとき、人と話すとき、車やバイクを運転するとき、何をしていても以前より細部を認識できるようになりました。
例えば車を運転していると、エンジンの微妙な振動や音が以前よりもよく伝わってきます。アクセルを踏んでから、少し遅れてパワーアップする車の挙動も、体感からよくわかります。感覚のアンテナの精度があがった感じがします。
また穏やかな気持ちの時間が増えたので、ゆったりとした音楽も好むようになりました。神経物質セロトニンが増えているのかもしれません。
やはりアルコールは、肉体の神経物質のシステムに、少なからず影響を与えているのでしょうね。神経物質の量は、測定できないので、アルコールの人体に対する影響度は、過小評価されているように思えます。
穏やかになったのはいいのですが、反面創造性が減少した気もします。イライラすることが減った分、何かこう暴力的な発想のスパークみたいなものが無くなったような気がします。欲求不満の状態も大切なのかもしれません。
5.お酒を飲みたくなる時
全体的に断酒は良いことだらけですが、やはり時々お酒が恋しくなるときがあります。
例えば、夜に部屋を暗くして、ジャズ系の音楽をまったり聴いているとき、ベランダでひとり夜景を眺めているときなど、お酒を飲みたくなります。琥珀色の液体に氷を入れて・・・などと考えてしまいます。
この先の人生で、再びタバコを吸うことはないと思いますが、お酒を飲むことはあるでしょう。でも誰かと一緒に楽しむときに限りたいです。独りでの飲む酒は控えようと思っています。
